株式会社東京ロストワックス工業様
ロストワックスとは、鋳造方式の一つ。ろうを利用した鋳造方法で、原型をロウで作り、周囲を鋳砂で覆い固めた上でロウを溶解して除去。その空洞に金属を流し込んで鋳物をつくる技術です。
東京ロストワックス工業様はこの型から全てを自社内で製造を行うことで短納期で低価格で鋳造を可能にしている高度な技術をお持ちの企業様です。
独自の高度な技術を有する工場には特殊な溶解炉や鋳型などが多数存在し、それらを効率よく配置。
また、高温になる装置に対する安全面などを十分に配慮した施工を行わせていただきました。
- 所在地
- 新潟県長岡市
- 構造・規模
- 鉄骨造2階建
- 延床面積
- 837.55㎡(既設建物 3,407.20㎡)
- 竣工年
- 2016年
- 発注者
- 株式会社東京ロストワックス工業様
施主様の思い
工場の増築により既設工場に隣接し別の棟を建築。
既存建物との効率のよい連携が求められました。
また、日本には数台しかない真空溶解炉の設置や特殊装置の設置などを十分に考慮した動線を含めた検討と増築に必要相当量の電気使用量の設備に対しての最適な受電方法への改善提案などのご要望を頂きました。
担当の思い
既存建物との連携、効率
稼働中の既存工場に増設して建築する建物をどのようにアレンジメントするのか。
この大きなテーマに対して工場の運営効率を落とさないように、多数の工夫を施しました。
建物外部にピロティ(屋根)を設けることで、雨天時でもでもフォークリフトが常に通行できるようにデザイン。このピロティは延長して他の工場群と接続することで、工場内の移動効率を上げることができるようになりました。
安全性の向上
新設備である真空溶解炉に対しては高温になる装置であることを考慮。安全性を十分に考慮し、オーバヘッドに十分な距離を確保しながら、既存の屋根との調整を行い、シンプルな屋根形状を作り出しました。
受電設備に関しては3案を作成。安全性に配慮しながら、既存設備の稼働を安定させつつも最も効率的な電源プランを作り出すことができました。
総合力の発揮
工期をなるべく短縮して高い工場稼働率を維持すること。
建物群をピロティで接続し工場の稼働効率を向上させること。
その他の焼成炉やアルミ溶解炉などの新設や既設の炉の連携した移動。
今後の運営が安全かつ安定するよう設計し直した受電設備の計画。
行政や消防などへの多様な対応。
多岐で多様に渡った今回の設計においては、設計段階や施工時にも定例のお打ち合わせを入念に重ねさせていただき、当社の総合力を余すことなく発揮させていただくことで、円滑な設計とスピーディーな施工を行わせていただくことが出来ました。